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Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】

第8章 ロー



「おー!夕日が凄く綺麗!」


ナツに案内されるままついて行くと、確かにそこには綺麗な景色が広がっていた。

水平線上に沈み行く大きな夕日を
ナツは崖の淵に身を乗り出すようにして、食い入るように見つめている。

ローはそんな彼女を後ろから眺めていた。


「もう少ししたら夜景が見れるかな?うーん、寒いし、それまで耐えれるか?」


顔を綻ばせながら一人言のようにそう話すナツからは、ローの表情は見えない。


「…っ」


ローは片手で顔を覆うと、ナツに気付かれぬように何度も深呼吸を繰り返していた。

真冬だと言うのに、全身から吹き出る汗が止まらない。

ローの表情は強張り、強くて早い鼓動が彼を追い立てるように脈打っていた。


「ロー?」


ナツはまったく言葉を発しないローを不審に思い、くるりと彼の方へと振り返った。

ローはそれに気付くと、一息つき、顔に当てていた手を下ろしゆっくりと彼女へと視線を向ける。





雪のちらつく中、夕日を背に立っているナツ。
ローは全身が凍り付くような感覚に陥った。






足元の雪も、崖から見える光景も、何もかもが





彼女を失い
絶望の淵に立った前世の自分が、彼女と共に心中した









あの場所によく似ていた。















「ロー、大丈夫?」


ナツはローの手を取り、しっかりと握りしめる。
無意識にナツへと伸ばした手は、彼女に受け止められていた。


「…ナツっ」


その手を引き寄せそのまま抱きしめた。
力加減なんて、出来なかった。


ナツは少し苦しそうにローの胸元から顔を出すと、その表情を伺おうと体を捩る。


なんだか様子がおかしい彼は、どうしたというのだろう。


ローは付けていた手袋と脱ぐと、そっと彼女の頬に手を当てた。
そこから伝わる、確かな温もり。


彼女は、生きている。


遥か昔、血まみれの遺体を腕に抱き
ここと同じような崖に立っていた時のような、身も心も凍るような冷たさは感じられない。

























ローの瞳から、一筋の涙が流れ落ちた。





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