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Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】

第8章 ロー




突然姿を現わした標的の姿に、男達の銃口が向けられる。
コラソンは笑みを絶やすことなく、両手を上げて戦う意思がないことを示した。


「牢に入れていたはずだが。一体どうやってあそこを抜け出した?」


ドフラミンゴは弟の登場に眉一つ動かすことなく、静かに彼を見据えていた。


「ちょっと縄の締め付けが緩かったからな」


適当に返事を返しながら、ドフラミンゴからジリジリと距離を取るコラソン。
その視線は、ドフラミンゴを見据えたままだった。


「まぁそんなことはどうでもいい。
盗んだ秘文書の「あああああ!?」


ドフラミンゴが秘文書の場所を聞き出そうとした瞬間、突然コラソンが彼らの後ろを指さし叫んだ。

なんとも古典的な方法に、嘘だろおまえと影から見守っていたナツは頭を抱える。

しかしあからさまに胡散臭いその作戦は、ドフラミンゴは騙せなくても他の男達は騙せたようだ。
一瞬の隙を逃さず、彼は別の通路へと走って逃げてく。


バンッ!!

少し遅れて建物内に鳴り響く銃声。
あんな子供騙しな方法で、彼らはまんまと標的を取り逃がしてしまった。


「ッチ…追え!!」


苛立ちを隠す様子もなくドフラミンゴが部下達に指示を出す。

男たちがコラソンを追い、走り出したのを確認すると
ドフラミンゴもまた、ゆっくりとその後を追った。





大丈夫かよ……

ナツは人がいなくなったことを確認すると、外へ向かって駆け出した。

無事に外に出られたものの、正直不安しかない。
どう見ても丸腰の彼が勝てる相手でもないし、あの人数相手にドジっ子の彼が逃げきるなんて到底無理だ。

こんなことなら気絶させた男から銃を回収して持たせればよかったと、ナツは後悔していた。


本当に、兄弟だからと言ってぶちギレる程度で見逃して貰えるんだろうか。
先程コラソンが逃げる際、外れはしたものの男達は彼目掛けてその引き金を引いている。


建物内に鳴り響く銃声に
ナツの頭にはその銃弾をその身に受け、血祭りにあげられているコラソンの姿が、浮かんでしまった。


ちょっと……、本当に大丈夫なのか?


ナツは足を止めると、決死の鬼ごっこが繰り広げられているだろうその建物へと振り返った。

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