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Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】

第8章 ロー



「……分かりました。明日荷物をまとめ……「ダメです!!」


ローの腰に抱き付いているせいで、携帯から漏れるリデルの声はナツの耳に届いた。

ナツは呆気に取られているローの手から携帯を掠めとる。


「明日もちゃんと、出勤してください!看護師長からの命令です!!じゃっ!!」


言い逃げ上等とばかりにナツは通話を切った。


「おいナツ。おまえ何勝手なこと……」

「ローの気持ちは嬉しいです。でも彼女の看護師としての腕はあの病院には必要なんじゃないんですか?」


ナツはローに向き直り、自身を睨み付けてくるその目を見据えた。


「私は看護師長なんですよね?部下の不始末は私の責任です。彼女を辞めさせるなら私も辞めます」


譲らない、といった様子のナツとローの視線が絡み合う。

数十秒後、折れたのはローだった。

ため息を吐くローに、リデルとワインぶっかけ犯の懲戒免職取り消しを約束させたナツは
着替えてきますと洗面室へと戻って行った。





「適当に頼んだ。後はここで自由にしてろ。もう少ししたら俺は一度戻る」


ナツがリビングスペースに戻ると、テーブルにはローが頼んでくれたらしい料理が並んでいる。

ナツの好物を中心に並んだそれを見て、ローがパーティーで何も食べてない自分を気にしてくれていた事を知り苦笑いが溢れた。


「さっきは勝手なことをしてすいませんでした。……でも彼女の看護師としての実力は、Trafalgar医院とローにとって、絶対に必要なものだって思います」


リデルが陰湿で嫌なヤツなのは私が痛いほど分かっている。
だからって、私がうまくかわせなかったせいで彼女を追い出すのは

ローにとって、絶対にマイナスだ。


「食事、ありがとう。お腹減って死にそうだったんだ」


何も言わないローに礼を述べ、ナツは早速食事を頂くことにした。

そんなナツを、ローはぼんやりと見ていた。






俺のため、か。


やはりどこか過去の彼女を思わせるナツの行動。

自分のことはいつも後回しで
俺の事ばかり勝手に考えて無茶ばかりする。


なぁナツ、おまえは本当に何も覚えてねぇのか?


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