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Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】

第6章 迷い



散々な目にあったとは思う。

ただ、


なぜかローのことを嫌いという部類に振り分けられない自分が居る。

あそこまでされて嫌いになれないということは
やはり私にはMとしての素質が眠っているのだろうか。


そんな自分に少し引きつつも、ナツはアパートを目指す。


そもそも彼はどういうつもりであんな事をするんだ?
いつでも選り取りみどりの美女に囲まれている中、敢えて私に手を出す意味が分からない。

性欲処理としてではないんだろう。
十分事足りていそうだ。

アレか。
嫌がらせか。
確かに効果は絶大だ。

でもそれって
向こうにとってもダメージあるんじゃね?

好きでも好みでもない女を嫌がらせの為だけに抱いて、何か院長にメリットがあるだろうか。


好きとかならまだしも……


ナツは思わず足が止まった。







え?
まさか……

いや、ない。
そんなことはない……筈だ。


ナツは頭に手を当てながら、彼の今までの行動を思い返す。








……いや、うん。
わからん。


ため息と共に再び足を前に進める。


どう考えても、院長が私を好きになる理由がない。そしてそんな素振りもない。

好かれているにしては、接し方に愛情がなさすぎる。



『絶対に離さねぇ』


あ。



『おまえは、おれのものだ』



………。




ベッドの上での雰囲気に浸った発言だろう。
きっとそうに違いない。

じゃぁ、やっぱり嫌がらせか。
あんなに立場のある人が。
私みたいな下っ端なんかを。


…ますます分からん。


ナツはたどり着いたアパートのドアの前で、ポケットから鍵を取り出す。


もういいや、どうせ会うこともないんだし。

扉を開けると、靴を脱いで中に入る。



まぁ……少しだけ
気がかりというか、何かが引っ掛かる。


最近また見る頻度が増している気がする、あの夢。
彼をこのまま1人にしていいのだろうか。



彼?



それは夢の中のあの医者だ。
1人にするもなにも、夢の中の出来事はどうすることもできない。



……違う。
あれは夢。








「……あれ?」


ナツがリビングの扉を開けると、そこにあった筈の荷物は

きれいさっぱり消えていた。



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