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「DC・Liar-S」歌うたいと恋心

第2章 HONEY & LOVER


俺の腕の中で震えるあいつ。それでも、俺の強い気持ちは察してくれた様だった。今はこうして抱き締めたりキスしたりして、拒まれないなら十分だ。


ただ、あいつが抱えるトラウマをどうにかしてやりたい。決断してくれたら、絶対に俺のこと信じさせる。
こんなに俺はあいつを好きで…………欲しくて仕方無いのだから。


「……うん、ちゃんと考える。ありがとう、話してくれて」


見つめ返すあいつの瞳はちゃんと芯があって、俺はそんなあいつが愛しくて仕方無かった。


「……好きだ、」


「私も朔良くんが好き」


この日の夜、あいつを何時ものように抱き締めて眠った。大好きなあいつの香りを抱いたまま……。



翌朝、宗や芹からLINEが来ていた。噂は散らばっていた様だったけれど、噂がデマだと触れ回ってくれたらしい。


朝からあいつの手料理を食べ、たくさんのキスをしては夏フェスへと向かった。充電は満タンだ。


噂なんか吹き飛ばすくらい、格好いい俺をあいつに見せてやりたい。自ずとテンションが上がる。


控え室にいると、あいつから会場に着いたと連絡があった。友人と一緒で、何もおかしなことはなかった様だ。


夏フェスは、盛大に盛り上がった。あいつに俺の言葉が届くように、いつも以上に気持ちを込めて歌った。


俺も、メンバーらも夏フェスを楽しんだ。終わった後も、テンションが高いままなくらいに。


「で、打ち上げ行くよな?」


「面倒…………」


「あんなに盛り上がったのにか?」


結果的に打ち上げに強制参加させられた。夏フェスに出演したあらゆるバンドや歌手、スタッフが勢揃いだった。


先日、俺にやたらと話し掛けてきた女もいた。俺を見付けるなり、高いテンションで声をかけてきた。


ぶっきらぼうな俺を見兼ねた芹が対応している。俺はと言えば、やたら時計を見ていた。30分居れば、後は好きにしていいことになっている。


あいつには連絡済み。近くで友人と待っていてくれている。時間になると、足早に会場を出た。


が、後を追ってきた女。俺に二人で話がしたいと言ってきた。間が悪く、そこへあいつが現れた。俺が女と二人で居ることに驚いた顔をした。


嫌……どちらかと言えば、戸惑っている?





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