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【血界戦線】紳士と紅茶を

第3章 告白(下)



 するとクラウスさんの力がすーっと抜け。

「わっ!!」
 お、重いっ!! ものっすごい体重がっ!!
 クラウスさんが私に乗っかるように、私を抱きしめていた。

「良かった……受け入れてくれて、ありがとう、カイナ」
「え? はあ、まあ……」

 いったい私は何を受け入れたんだろう。
 混乱でよく覚えていない。
 あとギルベルトさん、いい加減に救急車を手配してくれないかな。

「カイナ」

 クラウスさんが私の頬に手を当てる。
 眼鏡の向こうの、碧の瞳がやけに近い。

「愛している」
「へ?」

 言われた言葉の意味が飲み込めないまま、クラウスさんを見ている。

 そしてゆっくりと彼の顔が近づき――唇が重なった。

「ん……」
 
 息苦しくて身じろぐが、クラウスさんの両手が頬……というか頭を押さえてて、顔を動かせない。
 仕方なく力を抜くと、キスがさらに深くなる。


 そして、私たちは長いことそうしていた。



■Sideライブラ

 歓声に次ぐ歓声。

 盛大に開けられる酒瓶、ついでに紙吹雪のように舞う賭け札。
 勝負が終われば、あとはお祝いを口実にしたパーティーだ。
 
「いやあ、すごかったな。あの絶望的な状況からの大逆転!」

「どうなることかと思ったけど、クラッちの告白、感動したわあ!!」

 ジョッキが打ち鳴らされ、真っ昼間から乱痴気騒ぎ。

 スティーブンもついにあきらめ、仕事を放棄し、自分もボトルを開けた。
 その横にチェインが座りながら、ボソッと呟いた。

「でもあれ、『告白』じゃなくて『脅迫』ですよね……」


 自分も全く同じ感想だった。


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