• テキストサイズ

Love Distorted 【気象系BL】

第4章 愛のTABOO




温かな舌に翻弄される。
拙い自分の舌の動きをものともしない櫻井の秘技。

「ん、ぁ…っ、んふっ、」

何度も角度を変えて求められる。
僕はそれに精一杯応えることしか出来なかった。

抵抗することも、受け入れる事もままならない。

次第に、キスの合間に櫻井の左手が僕の右手に重ねられていく。 強く握られると、そこから櫻井の熱が伝わってきて僕の身体も熱を持ち始める。

…僕は一体どうしちゃったんだろう。

このキスに終わりがあるのかと、思っていると
校舎中に予鈴が鳴り響いた。

すると、櫻井の唇かすっと離れていく。

翔「センセイ残念…教室戻りますね」

「え、あ…」

そう言って櫻井は、給水タンクの上から降りて
校内へと戻って行ってしまった。

僕は暫くその場から動けずに、呆然としていた。



それからというもの、櫻井は毎日の様に
僕の元にやって来てはキスをして帰っていく。

そんな事が約2週間も続けば、僕もある程度は
それに慣れてきていた。

でも、この日は違ったんだ。
記憶を思い起こさせられるなんて、僕はまだこの時、考えてもいなかった。

翔「センセイ、来ちゃいました」

科学室の扉を開けて、入ってくる。
その声に僕は振り返り、また作業に集中する。

翔「そんな態度取らないで下さいよ…」

後ろから抱き締められるようにして、包まれる。
…この温かみが嬉しいなんて、思ってない…絶対。

「何の用だ…」

翔「そんなの分かってるくせに…」

そう言われて、後ろから伸びてきた手に
顎を捕えられる。

それを引き寄せられると、櫻井の唇が塞いだ。

簡単にその世界に閉じ込められてしまう。
いつものように、それが続くと思っていた…。

けれど、櫻井の手が僕の身体を伝い、胸の突起に触れた途端… 僕の身体に悪寒が走って、急激な吐き気を催した。

「…っふ、離せっ!!」

思い切り叩くようにして、手を払い除けた。

…どうしよう、全身から震えが止まらない。 怖い、怖い…。 僕の身体に触れるその手が恐ろしい。

翔「…センセイ?」

だから、僕は…男が嫌いなんだ。


【END】 後編に続く…。













/ 90ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp