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【HQ】キミ色オレ色

第27章 甘くて苦い。



「先輩、黒尾先輩にチョコ渡すんですか?」

部活が終わると唐突に聞いてくるミカちゃん。

「渡すよ。ちなみにミカちゃんは渡すの?」

聞かれたことに対する回答と、私が思っている疑問を聞くと、ミカちゃんは少し俯く。だけど、すぐに顔を上げた。その顔は笑顔。

「あげませんよ。あんな酷いことした女にチョコ貰うとかいやでしょー。しかも、私、甘いチョコしか作らなかったんで。苦いチョコしか食べない黒尾先輩にはあげられないんですよ。…まぁ、最後のは言い訳ですけどね?」

鉄朗が甘いの苦手って、本当に有名だね…。
…まぁ、そんなことはさておき、ミカちゃんはそこまで自分を追い詰めていたのか。

「あげても良かったと思うけど。」

「だから、私は前に黒尾先輩が一番愛してる先輩に酷いことをしたんですよ。こんな私からチョコ貰うのはいやでしょって、言ってることわかりますか?」

「鉄朗はミカちゃんのこと、そんなに嫌いじゃないよ。好きな人のためならなんでも出来るって言うじゃない。だから、ミカちゃんは好きな人の近くにいる邪魔な奴がいるから私を突き飛ばしただけ。別に悪いことじゃないと思うよ。」

恋してるんだから、仕方ない。
…私のせいでミカちゃんが恋を諦めるなんて絶対に嫌だ。

でも、鉄朗は私だけを好きでいてほしい…。
…って思ってしまう私は、本当にズルい女だ。
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