第19章 手のひら合わせて。
私はミカちゃんにそう伝えたけど、ミカちゃんは、私の言葉が届いたのか、届いてないのか、先ほどと同じくクロの元へ駆け寄った。
「黒尾先輩!体だけでもいいので私と付き合ってください!絶対、先輩よりも私の方が黒尾先輩のこと楽しくさせる自信ありますよ」
ミカちゃんはそう言う。
きっと、前までの私だったら、ここで息苦しくなってたかもしれない。
だけど、今の私はちゃんとクロのことを信じてるから。
「ごめん、俺カラダとか興味ねぇし綾菜と居るだけで満足。すまねぇけど、お前みたいな影でコソコソしてるやつとは仲良く出来る自信、ねぇや。」
「っ…なんてこと言うんですか!?絶対諦めませんから!」
ミカちゃんは、言葉だけをここに置いて、駆け足で入口に向かうと思い切りドアを開け、わざと大きな音を出すようにドアを閉めて出ていった。
…なんか、疲れたなぁ…。