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【名探偵コナン】幼女になりました。

第4章 新たなる


ぼんやりと目を覚まし、時計に目をやると針は7を指していた。
昨夜安室が帰ってきたのは葵が寝たあとなのは確か。なのに、その彼が既に起きて珈琲を飲んでいるものだから、慌てて顔を洗ってソファに座る。
それを楽しそうに見る彼と朝食を食べ、食後にお手製のココアを飲む。
9時からバイトだという安室に頑張って!と笑ってエールを送り、手元に置かれた携帯に視線を落とした。

昨日、22時を過ぎ寝る準備をしていた葵の元に安室は一度戻ってきた。何か重大な決定でも下ったのかと驚いて眠気が吹き飛んたけど、彼は携帯を渡しただけだった。
携帯を肌身離さず持っていれば外に出ても良いらしい。ストラップを外すことも禁止になっているから、これにも大方発信機が仕込まれていて、携帯の電源が切れても場所がわかるようにしてあるのだろう。
さくら色のスマホに深い蒼のストラップが揺れている。

「葵ちゃん、今日はどうする?」
『外に行く!』
「気を付けるんだよ?なにかあったらすぐに電話すること。」

携帯は離さないこと、危ないことはしないこと、知らない人にはついて行かない、食べ物も貰わないこと、といくつか注意点を並べる安室に頷けば頭を撫でられた。
歯を磨き、彼が買ってくれたワンピースに上着を羽織り、いってらっしゃいと見送る安室に手を振った。

『いってきます!』








«続いてのニュースです。子供が捨てられたとの匿名の通報があり警視庁は昨日未明、保護責任者遺棄の疑いで22歳の女を逮捕しました。»


玄関が閉まってすぐ聞こえてきたニュースにナイスタイミングと胸をなで下ろす。
淡々と読み上げるアナウンサーは女性の氏名や容疑を認めていること、子供が既に保護され安全なことを報じていた。聞かれなくてよかった。
いつかは知ることだが、今はいい。

そろそろ行かなくてはと時刻を確認してテレビを消し、車の鍵を持ち玄関を出て鍵を締める。
あの子からの連絡が来ない事を祈りながら車に乗り込んだ。

時刻は8時を過ぎていた。



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