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【名探偵コナン】幼女になりました。

第10章 邂逅と思惑


「でも凶は滅多に出なくて逆に縁起がいいとも聞いたからがっかりしないでクールキッド!」

肩の上で揺れる金の髪に年季の入った黒縁メガネを掛けた女性は腰を折りパチリとウインクを一つコナンに贈った。

「ジョディ先生!」

ジョディの登場に顔を輝かせる探偵団を尻目に葵の目はコナンから離れずにいた。何故か満足気に御籤を仕舞う姿を訝しむと、同じようにその顔を見たのか灰原が冷ややかな視線を向けた。

彼女との情報交換のために呼びつけたのねと語る少女に二人が図星というように固まった。

そういえば花見に行こうと誘ったのもコナンだったなと思い出し、その頃から花見客に紛れる準備をしていたのかと納得と共に感心する。

「まあ、それと同時に公安警察も目を光らせている場所でもあるから、せいぜい気を付けるのね」

忠告を苦笑しながら受け取ったジョディを見つめる葵の思考は彼女の所属で埋め尽くされていた。
友人との会話の中でジョディという名がでたことがあっただろうかとサーチを掛け始めた脳は、先程より幾分か高い灰原の声で中断された。

「江戸川君たちは放っておいて博士のところでお弁当食べながら桜見ましょ!」
「「「はーい!」」」

元気よく手を挙げて博士を探そうと駆け出す子供たちに続こうとした葵の腕をコナンが掴む。

「悪い、灰原。博士に葵を迎えに来るように伝えてくれ」
「…わかったわ」

コナン、ジョディと順に目をやった灰原は、次いで葵を見た。安心させるように頭を撫でると背を向け探偵団を追っていった。




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