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【名探偵コナン】幼女になりました。

第9章 兄と親バカと花見


「葵ちゃん、こっちこっち!」
『歩美ちゃん!おはよう!』

葵を見つけた歩美は大きなウサギが印象的なパーカーのフードを揺らしながら笑みを浮かべた。花見を楽しみにしていたらしいその頬は、薄らと赤く色づいている。

同じように手を振り近づいた葵を視界に入れた灰原の瞳が見開かれた。いち早く気づいたコナンも葵を見つめているが、此方は特に何も気づくことはないらしい。

固まる灰原に首を傾げる2人、そんな2人に気づいた面々も彼女を視界に入れる。6人が揃って首を傾げる異様な光景に終止符を打ったのは固まっていた本人であった。

「それフサエブランドじゃない!しかもそのベレー帽は新作!」
『…そうなの?』

新作と聞いて僅かに頬を引き攣らせる葵に構わず、”触ってもいい?”と聞く灰原にコクコクと頷く。撫でるように触れる手に無意識に擦り寄れば、帽子に向けられていた瞳が葵を見てきゅうと細められた。

「すごく可愛いわ」
『ふわふわで可愛いよね!』

特に横で揺れる銀杏が好きだと自分と同様に細められた瞳を見た灰原は一瞬の後、ふふっと破顔した。隣ではコナンが呆れたように笑い、博士は微笑ましいと見守りに徹している。

普段のクールさとかけ離れた姿に自分の解釈が間違っていたかと窺う葵を突然の衝撃が襲った。

「歩美もすっごく可愛いと思う!」
「ぼ、僕もです!」
「ウナギ焼いたらそんな色になるしな!あー腹減ってきた!」

腕に抱き着く歩美を皮切りに探偵団が服を褒める。だらしなく目尻を下げた葵の前で悪戯気に吊り上げられた唇が開いた。




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