第4章 淡い気持ち【山崎宗介】
身も心も凍えてしまいそうな冬。
私は、今日も幼馴染みの学校へ遊びに行く。
その理由は簡単。
『カッコいい幼馴染みの姿が見たいから。』
いつからだろう、『憧れ』が『恋心』へと変わったのは。
もう、『幼馴染み』としてではなく、『彼女』として彼の隣にいたいと思い始めたのは。
『幼馴染み』という関係に不満や憤りを持ち始めたのは。
空「…いつからだっけ」
そんなことも忘れてしまうぐらい昔からなのか、もとから『恋心』を抱いていたけれどそれに気付かないでいたのか…
何も、分からない。
けれど、ただ一つだけ分かるもの。それは…
宗介「ん……空、また来たのか」
空「何でそんなに呆れた顔するの。私が好きで見に来てるんだから別にいいじゃん」
『彼が私を幼馴染みとしてしか見てくれないこと。』
その一つだけなのに、酷く重いように感じる。
一つの中に、何千何万もの石を詰め込まれたかと思うぐらい…とても重いもの。
それに向こうが気付くのは、いつだろうか。
気付いてくれる日は…来るのだろうか