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Baby blue【気象系BL】

第9章 虹の欠片


【翔】

いつも一緒にいたからね。

ある意味、兄弟の智くんより、
俺の方が潤のことは分かってるんじゃないかな?

家族といるときの潤は、
不思議なほどに両親の顔色を伺っていた。

おじさんもおばさんも、
とても優しい人で、俺の家族とも、親戚以上の付き合いをしてきた。


のんびりしていて穏やかな智と、
自分の感情に正直で、内に熱い情熱を秘めた潤…

見た目も、性格も、
全くの正反対のふたりは、
どっちも俺の大切な幼馴染で。


俺がふたりの家の横に引っ越してきたのは、
智くんが小学校3年生、潤が1年生だった。

丁度一学年ずつ違うけど、
俺たちは直ぐに仲良くなり、
家族ぐるみの付き合いになったこともあって、
兄弟のように大きくなった。

出逢った頃の潤は、目が大きくて身体も小さく、
ちょっとしたことで直ぐに泣く、
弱々しい感じの男の子だった。

潤は、『翔くん、翔くん』と、
ある意味智くんよりも俺に懐いてくっ付いてきた。

そんな潤の事、俺は不思議な使命感で、
守ってあげなきゃって…
俺が潤を傷付ける全てのものから守ってあげなきゃ…って、そう思っていた。

実際、泣き虫の潤の事、
事あるごとに庇ってきたのは俺だった。

智は、なぜか潤に対して一歩引いているような、
そんな感じで、それがどうしてなのか、
その時は全く分からなかったし、
大して気にもならなかったんだ。


そんな風に成長してきた俺たち。

潤が4年生になった時、
ちょっとした事件が起こった。

学校帰り、俺たち3人はいつものように、
ふざけ合いながら家に向かっていた。

その時、角を曲がったとことに、
女の子が一人で立っていた。


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