• テキストサイズ

Baby blue【気象系BL】

第6章 暗闇の中で



急に黙り込んじゃった彼に、俺は不安になる。
だからわざと明るく、いつもは出さないようなはしゃいだ声で、

「だからさ!教えて?やり方とか…」

何でもない事みたいに言ったんだ。

なのに翔くんは、

「いいの、かな…?そんな、俺が、そのぉ…初めてなんて…」

俺はそれには答えず、翔くんの首に腕を回して引き寄せた。

そして耳元で囁いた。

「いいから…しょおくんが、いいんだ…」


そう。
翔くんがいい…


……だから、ダメだよ。
もう後戻りなんかさせない。


初めて、そういうことするのは、
翔くん、君しか考えられないから……


今まで、

いや、なんなら今だって。

遠慮してるよ?潤に…
だって、翔くんは、潤の大事な恋人で…

だから、こんなこと知ったら、潤は怒り狂うに決まってる…

泣き叫ぶかな?
それとも殴り掛かるかもね…

子どもの頃の喧嘩みたいに…


だけど。
俺だって欲しいんだ、翔くんの事。

ずっと、ずっと欲しかった。


俺だって、潤に負けないくらいに、翔くんのことが欲しかった…

だけど。
潤には負い目があるから、潤のものは…
潤のものには手を出しちゃいけないって、そう言い聞かせていた。


でももう限界だった。

翔くんの無邪気な行動に…
無遠慮に俺のテリトリーにがんがん入って来るから。

翔くん…
君が悪いんだよ。

俺ずっと、我慢してたのに…



……暗闇が…

俺が閉じ込めていたものを解放した。


『翔くん…』

『翔くん…しょうくん………』



あなたがすきなんだ…




/ 412ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp