〖イケメン戦国〗新章 燃ゆる華恋の乱❀百華繚乱伝❀
第13章 Xmas SS 〜白い聖夜の天使は君〜 ❀光秀&家康❀
「一本は、一目惚れ」
受け取ると、家康はさらに一本、また一本と。
意味を持つ説明しながら、私に渡す。
「二本は、この世界は二人だけ。三本は、愛しています。四本は死ぬまで気持ちは変わりません」
「……っっ」
「108本はね……」
すると、家康は私の唇を一回優しく啄み。
全ての薔薇をすっと差し出した。
「私と結婚してください」
(……っっ!)
その言葉に。
私は思わず絶句した。
心臓がばくばくと高鳴って、痛いくらいだ。
言葉も紡げずにいると、家康は真っ直ぐに私を見て…
さらに追い打ちを掛けるように囁く。
「結婚しよう、美依」
「いえ、や……」
「幸せにする、一生。してみせるよ」
「……っっ」
刹那。
零れた涙が、頬に流れた。
すると、家康が手を伸ばしてきて……
長い骨張った指で目元を拭う。
優しい温かい手。
それがさらに涙を誘って……
泣き止まずにいると、家康は呆れたように、でも愛しさを込めた声色で言った。
「美依の泣き虫」
「家康のせいだよっ……」
「ほら、返事を聞かせて?」
(そんなの、決まってる)
私はその108本の薔薇の花束を受け取り……
精一杯の気持ちを込めて、こう答えた。
「一生…家康についていきます」
その時の家康の顔は忘れられない。
はにかんだような、睨んでいるような。
────でも、幸せに満ちた顔
その後の甘い夜の訪れも。
私は家康にとろとろに蕩かされながら……
何度も何度も家康に伝えた。
『貴方を愛してる』と。
聖夜に贈られたプロポーズの言葉は。
雪のように、私の心に染み入った。
一緒に幸せになろう。
同じ道を、手を繋いで歩いていこう。
だから、この先も二人で同じ未来を見ようね?
白い天使が囁く。
甘い甘い、幸せの呪文を。
そして、幸福に満ちて、甘い聖夜に溺れていく。
《Xmas SS 〜白い聖夜の天使は君〜 / 家康編》
終
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光秀さん&家康のショートストーリーでした♡
皆様、素敵なクリスマスを!
未艶