• テキストサイズ

異世界人の平凡な日常【涼宮ハルヒの憂鬱】

第5章 ◇誰も知らない、世界が壊れた日◇




「な、に……?」


さっきまでとは違い頭の冴えた今では、これが非常識でおかしな状況なのだとわかる。
恐怖が背筋をざわざわと這い回り、緊張から唾を空気ごと飲み込んだ。
シン…とした静寂の中、必要以上に大きく響いたゴクリ…という音が耳につく。

……こ、わい…………こわい、怖いよキョンちゃんっ…。

不思議と校舎から視線を外せないまま、無意識でキョンちゃんに助けを求めた瞬間。
グニャリグニャリと歪み続けていた空間がふるりと震え、凪いだ湖面のように微かに揺れながら、何かを映し出した。


「え……キョンちゃん!?」


常に動いているのか画像の乱れは激しいが、確かにそこに映っているのはキョンちゃんだ。
なにか追い詰められたような、焦ったような表情。
気になってじっと目を凝らして見ていると、キョンちゃんが誰かの手を引いて走っていることに気がついた。

サラサラと飛び跳ねる、肩までの茶色い髪。
ヒラリと裾が翻る、女子既定制服のスカート。
勝気そうにつり上がった眉、楽しそうに煌めく大きな瞳。
ふわふわと風に流れる、特徴的なオレンジ色のリボン。



涼 宮 ハ ル ヒ



驚きより何より困惑の方が大きくて、声も出なかった。
どうしてキョンちゃんが、涼宮さんの手を握っているんだろう?
どうしてキョンちゃんは、あんなに必死に彼女を連れて走っているんだろう?
どうして彼女は、涼宮さんは、あんなに楽しそうに顔を輝かせているんだろう?

/ 20ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp