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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第3章 友情か


佐久間さんは来なかった。



あの日、お茶を飲み終え「じゃあ、またね。」と部屋を後にしてから2ヶ月。

季節は変わり、冬を迎えようとしている。

冬が来るという事は、あの日から1年が経つという事だ。

12月24日。

亮太に別れを切り出されたあの日だ。



相変わらず、放課後の屋上でタバコを吸う事が日課になってしまっていた。

物陰に腰を下ろし、スーツのポケットからタバコを取り出す。

1日1本と決めてはいるが、もう2ヶ月も吸い続けているのだから私は立派な愛煙家だろう。

タバコの匂いも、今となっては亮太の匂いでもなんでもない。

私にとってはもう、ただの“放課後の屋上”の匂いになってしまった。

こうして、記憶は上書きされていくのだと思う。

人間とは何て都合の良い生き物なのだろう。

出来る事なら亮太の記憶全てを上書き…いや、完全消去してやりたいくらいだ。






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