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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第9章 甘い嘘●


デパートの入り口を出た時だった。

行き交う人の中、見慣れた横顔を見付けた。



長い黒髪に切れ長の瞳。

大きめのピアスが揺れる耳元。

ロングスカートを履いた“彼女”は、私の目の前を足早に通り過ぎていった。



「小松さん?」

驚いた私は彼女の後を追い、呼び止める。

振り返った彼女はいつもよりも大人びた顔をしていた。



「先生何してるの?」

少しうっとうしそうに彼女はそう応える。

不機嫌そうな表情。

あまりの威圧感に一瞬圧倒されかけてしまった。



「私は買い物。」

「ふ~ん。先生も買い物とかするんだ?」

「今日はたまたま…」

「別にいいけど。」



何か急ぎの用事でもあるのだろうか。

彼女はいつにも増してぶっきらぼうだ。

学校以外で私と会うのはさすがに気まずかったのだろうか。

それとも…あの事だろうか。



彼女は苛立ち、早くここから立ち去りたいといった雰囲気だ。






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