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【年上の男】 R18 ※加筆&修正中

第1章 サンタクロース


“髪の長い子が好きなんだ”



その言葉通り、亮太が連れて来たのは栗色の長い髪がよく似合う女だった。



カップルや女性客で賑わう店内。

その店内に、テーブルを挟み向かい合う3人の男女。

普段であれば、その姿も街の風景の1つとして何の違和感もないだろう。

しかし、今日はクリスマスイブ。

3人のまとう空気は重苦しく、それが別れ話の最中である事は当事者以外の目にも明らかだった。



「…今、“3ヶ月”なんだ。」

亮太はそう申し訳なさそうに頭を下げる。

そんな亮太とは対象的に、隣の女は顔色一つ変える事なくじっとこちらを見つめていた。

これみよがしに腹を撫でる女の姿。

店内に流れるクリスマスソングが、頭の中をぐるぐると駆け巡っていた。



「俺達、結婚するから。

だから…もうお前とは会えない。」



そう話す亮太の顔を直視する事が出来ない。

こんな日がくるとは夢にも思っていなかった。

少なくとも去年の今頃は2人で手料理を食べながら笑い合う、どこにでもいる普通の恋人同士だったはずだ。



一体、どこで間違えてしまったのだろう。



ため息をつき、テーブルに置かれたティーカップへと手を伸ばす。

中のコーヒーはすっかりと冷めきってしまっていた。






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