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オレの彼女が宇宙でいちばん

第1章 オレの家に来るって


 オレはまったくの上機嫌で部屋の片付けを始めた。床に散らばる服をかき集め、出しっ放しの本を本棚に押し込み、将棋盤だの野球ボールだのをクローゼットに追いやる。整理整頓というのはどうもやっている間に飽きてしまって苦手なのだが、今日は頑張ろう。

 なにせ桃浜がオレの家に来るのだから。

「これは目立つ所に置いておかなきゃな」
 オレは写真立てをチェストの上に配置した。オレと桃浜のツーショット写真だ。

 桃浜は会社の同僚だ。明るくて、素直で、親切で、仕事もできて、笑顔がとびきり可愛い。そんな彼女に惹かれたオレが猛アタックを開始したのが1年半ほど前。彼女は最初、社内恋愛はゴタゴタの元、と心配していたが、なんとかオレと付き合ってくれることになった。
 このツーショ写真は先月、付き合い始めて1周年記念ということで、プチ旅行に出かけた時に撮ったものだ。
 写真の中の桃浜は輝くような笑顔をしている。可愛いな、ホントにとても可愛い。

 おっといけない、このままでは写真を眺めるだけで時間が過ぎてしまう。オレは我に返ると、部屋の片付けを再開した。
 なにせ桃浜はキレイ好きだからな。桃浜がオレの家に来たことは今まで何度もあるし、その度にオレとしては片付けているつもりなのだが、「服は畳んでからしまおうね」とか「引き出しは開けたらしめるものだよ」とか、大抵何か言われてしまう。今日こそは、頑張ろう。

 しかしこんなだらしないオレにも愛想を尽かさずにアドバイスをしてくれる桃浜は本当に優しくてしっかりもので最高の彼女だな!
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