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*トライアングル*【R18】

第26章 希望へ向かう未来





私の質問には答えてくれず、リアンくんはそれきり黙ってしまった。
どうして何も話してくれないの…?
弁解くらいしてほしいのに…

(…でもダメ…こういう時こそちゃんと話をしなきゃ……)

リアンくんの両手をぎゅっと握る。
それでも俯いたまま動かない彼の顔を覗き込んだ。


「リアンくん…何か理由があるんでしょう?お願いだから話して?」

「………」

「どうしても話してくれないなら…リアンくんが私の事嫌いになって浮気したって思うけどいい?」

「っ…」

そう告げれば、ぴくりと動く彼の手。
その手が私の手を握り返してくる。


「…話してくれる?」

「………」

彼は静かに頷いた後、今日あった出来事を全て話してくれた。

リアンくんが中学生の時、彼の家庭教師をしていたという女性との再会。
彼の"初めて"の相手…
その彼女に睡眠薬と媚薬を飲まされ、好きなようにされた事。
ジョエルさんの乱入により、最後までする事はなかったようだけれど…


「リアンくん…体大丈夫?クスリの副作用とか…」

「……怒んねぇの?」

「…え……?」

「兄貴が来なきゃ…俺、最後まであの女とヤってた…」

「でもそれは…」

「いくらクスリのせいだって言っても…俺はアンタを裏切って気が済むまであの女を抱いてたと思う…」

「…リアンくん……」

こんなに辛そうな彼を見るのは初めてだ。
それだけ自分の事を責めているのだろう…

(リアンくんのせいじゃないのに…)

ぎゅうっと彼の体を抱き締める。
さっきの甘い香水の匂いはもうしない。
石鹸のイイ匂い…いつもの彼の匂いだ。


「…もうそんな顔しないで?」

「……、」

顔を上げて触れるだけのキスをした。

(…確かさっき"キスもされた"って言ってたよね?)


「…消毒」

我ながら恥ずかしい事を言っていると思ったが、それは本心だ。
会った事も見た事もない女の人に私は少なからず嫉妬している。


「リアンくんは…私の恋人だから……」

「っ…」

そう告げた瞬間、今度は彼の方からキスをしてきた。
乱暴に舌を捩じ込まれ、そのままソファーに押し倒される。


「リ、リアンくん…?」

「…アンタが可愛い事言うから……」

「……、」

「それに…クスリもまだ切れてねーし……」



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