だって、憧れてしまったんだ。【僕のヒーローアカデミア】
第2章 雄英高校ヒーロー科
桜が満開になった四月
今日は入学式。
真新しい制服に身を包まれた新入生たちが
新たな場へと初々しくも新鮮な気持ちで足を運ぶ。
彼女、草凪 千風もそのうちの1人。
しかし、最も初々しい気持ちすら彼女は持ってなどないが。
新しい教室、1年A組へと足を向ける。
ドアでかいな…バリアフリーか。
見上げるほど高いドアを一瞥すると、
千風は何のためらいもなくドアを開けた。
1年A組は二十一人と少人数編成だが、それでも最初のほうだったらしい。
教室内にはまだほんの数人しか人の姿はなかった。
千風は自分の席を見つけ座る。
まだ周りの人は来ていなようだ。
人と会話することが苦手な私にとっては幸いなことだ。
と思いつつ、それをいいことに通学鞄から一冊本を取り出し、
読書にふけることにした。
それもクラスメイトの大声で現実へと戻されるわけだが
まだそれを知る由もない。