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【報道系】夢小説

第5章 【It's you:加藤成亮】






人間というのはしたたかなイキモノで、
強かに生きるために
『忘却』
という自己防衛機能が
プログラミングされている。


俺が恵麻に再開したあの日、
世間的に言えば
俺には付き合っている女性がいて。


それにも関わらずキミに再開してから3ヶ月、
毎日雑踏の中に期待してしまう俺もいて…。


そんな自分に幻滅しながら
カノジョにキミの幻影を重ねて抱いたりして…。


―――自分自身の
最低オトコっぷりには言葉もない。。


そんな日々を過ごしていたある日、
カノジョから話があると言われて。 


とうとう、引導を渡されるのか…
そう、思った。


でも、それでいい。
そうあるべきなんだ。


キミの幻影に囚われた俺には
女性と付き合う資格なんて、
そもそもなかったんだから……。




家に帰った俺を待ち受けていた話は
俺の予想に反したもので。


その女性はこともあろうか、この俺に
『産ませてください』と懇願してきた。


こんな、俺なんかに……。




父親になる資格もないのに
俺の心は置いてきぼりの中


妻帯者になり、
カノジョのお腹は膨らんでいって…


カノジョへの気持ちは変わらないものの


自分の遺伝子を引き継いでいる
お腹の中の小さな存在には
愛しさが募っていく―――。


“あぁ、俺もやっぱり、動物なんだ…。”


所詮は種の存続のための
一つの歯車でしかないけれど、


それこそがこの世に生を受けたとき
プログラミングされた
本能の1つなのか……。


そんなことを考えて
独り、苦笑したりして―――。









キミとの再会から、1年が過ぎ、
キミと別れてから6年が過ぎた。



恵麻、キミは今、
幸せですか……?


どうか、
そうでありますように。。


キミと一緒に居られない俺には
そう、希うことしかできないけれど…。




僕は……
カノジョに対して
感謝はしているし、情はあるものの


キミへの想いとは全く違うことに
日々、絶望しながら生きています。


そんな僕が、
キミに幸せなのかと聞かれたら


胸を張って幸せだなんて
答えられるはずもないけれど。








それでも…、


キミの幸せを願ってしまう


哀れなオトコのわがままを


どうか、赦して―――。











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