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Diable Patron

第9章 何事も全力で


「まだ、寝てなかったんだな…」



そう扉をあけて部屋に入ってくる裕。


「あ、うん。なかなか寝つけなくて。それに、先に寝ちゃったら一緒に寝る意味もないでしょ?」



私はそう言って疲れていることをごまかした。



「まぁそうだな。」



彼はベッドに入り、サイドテーブルから一冊の本を取って開いた。


その本はとっても難しそうな本で、厚みもとっても分厚かった。



「本、好きなの?」



「人並みにだがな、すごい好きって訳でもない。」


私の質問に彼はこう答えながらも黙々と本を読んでいた。




「お前は何してるんだ?」



彼は本を読みながらも私に聞く。



「学生時代の同級生のSNS。裕も見る?」



私はそういいながら携帯を彼にむけた。



「…これって結婚式か?」



彼はある写真を見て私に言う。




そこにはウェディングドレスを着て微笑む友人と、嬉しそうに友人と腕を組む男性が写っていた。



「あ、うん。そうだね、年齢的にそうゆうのも増えてくる感じの年だし。」



私は携帯を再びスクロールしながら言う。




「そうか、確かにそうだな。俺にはそこまで友人がいなくて気がつかなかった。」



彼はどこか気がかりそうな顔をしていた。



なので私は聞いてみる。



「顔曇ってる。何か気にしてることでもある?」




「…」


彼はあるけれどないふりをしている、そんなようすだった。





「何かあるなら聞かせてね?誰かに相談すると少しは楽になるから。」




私がそういうと彼は私を見ていった。




「少し気がかりなことが何個かある。そのなかに由架が悩みを打ち明けないってのもある。」




その時の彼は少し不満そうで、悲しそうな顔をしていた。
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