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Diable Patron

第16章 籍をいれると言うことの重み


裕Side



「兄さん、俺由架に嫌われてなかった…よかった。」




それはそう兄に電話をかけた。




遠巻きにプロポーズしたあの日、俺は即座に電話をかけていた。



その時、兄に



「結婚を急かすと嫌われるよ?」




と言われたのをきっかけに俺は由架に嫌われたのではないかと気にする毎日を送っていた。




その件に関して何度も兄に相談していた。




でも今日けして嫌われてた訳じゃないことがわかってほっとして兄に電話をかけたのだ。




「よかった、裕が気にするようなこといってごめん、反省してるよ。」




そんな兄の声かけに俺は




「いいよ。急かした俺が悪かった。兄さんにいわれないと気づけなかった。」




と返す。




あの事をきっかけに俺たちはお互いのことを思いやるようになった。




お互いに対する細々とした不満と言うか不安に近いものが少しづつ取り除かれていっている、そんな気がする。




彼女が不満そうでないのも確かだ。




[結婚]




この言葉一つだけで人は人生をかなり左右される。




幸せを手にいれるものもいれば、[結婚]をする上で自分のしたかったことを諦めてしまうものだっている。





夢を諦めるもの、仕事をやめてしまうもの。




けれどそれを失わない人だってなかにはいる。





けれどできれば幸せと思うものもいれば幸せとは思わないものもいる。




そんな大きな人生の分岐点を急かすなんて人としてダメなことだと俺は思った。





だから結婚しないのも…ありなのかもしれない。
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