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Diable Patron

第1章 大嫌いな上司


「悪い、遅れた。おはよう。」


そういって部長は部署へと入ってくる。


といってもまだ、出勤時刻終了10分前だ。


遅れたわけではないのだが、部長的には遅れた気分になるのだろう。



昨日は私と部長は仕事をしていたが他の人たちはお休みだ。



休日明けということもあり、すこし辛そうな人もいる。




そんな中、部長はそんなことも考えず、皆にこれでもかとくらいに仕事を振り分ける。



仕事の鬼と言われていることも納得がいく。



その分仕事に一切抜目ないのはありがたいのだが、下についている私たちからすると結構辛い。




けれど、ミスが無く最速で仕事をするため社内では部長のことを尊敬している人も少なくはない。




私も振り分けられた仕事を黙々と進める。



すると「日向、外回りに行く。ついてこい」と部長に呼ばれた。




[まただ。]



内心、そう思いながらも笑顔で「はい、すぐに準備しますね。」といって出る準備をした。




程なくして、私は準備を終え部長をデスクに呼びに行くと私たちは部長の車で外回りを開始した。




といっても、二軒程の話ですぐに終わってしまう。




終わった後私はランチへと連れていかれた。



といっても洒落ているような店ではない。



たくさんのサラリーマンが軽くランチ、いやお昼ご飯に来るような定食屋さんだ。



けれど、私は下手なオシャレな店よりもこうゆう定食屋さんの方が好きだった。
 


私たちはまた、黙々とご飯を食べ車へと戻る。




これまで、私たちは取引先以外で一回も会話をしていなかった。



しかもその取引先でも私は何もせず、座っているだけ。



時々書類を出す程度だ。




何のために私を連れて来たのか全く意味がわからなかった。



とりあいず、お昼ご飯を奢ってもらえたことが得だったからいいかと思い、私はその疑問を無かったことにした。
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