第1章 ユーリ♡俺だけのプリンセス
「あ、あの......ユーリ??」
城に着き、ユーリと2人で自室に戻ったココは、今のなんともいえない状況に戸惑っていた。
城に帰ったらルイに会う前に服をきがえよう。と、
たったそれだけの話だったはずなのに、
なぜか自室に戻った途端、ユーリに抱きしめられてしまい、しかも離してもらえないのだ。
『ん?どうしたのココ様?』
「ど、どうしたの...って...」
『ふふ、ココ様いい匂い。ずーっとこうしていたいなぁ』
そう言ってユーリは顔を首筋に寄せる。
するとユーリの吐息がかかり、くすぐったくて身を捩るココを、さらにぎゅっと抱きしめる。
「...っん......どうしたの?ユーリ...?き、着替えは...?』
『んー??なんだかちょっと俺、疲れちゃったみたい。
ちょっとだけ、休ませて?』
(たしかに、今日は一日中ルイへの贈り物選びに付き合ってもらっちゃったし......そりゃあ疲れてるよね)
「わかった。ちょっとだけだよ?」
『ありがとうココ様』
ココの身体の温かさと柔らかさに酔いしれながらも、
こんな風に抱きしめられても
不自然に思わず受け入れてしまうそんな彼女に、
ユーリの不安はさらに大きくなる。
もしかすると、自分が知らないだけで、
もう別の男にこんな風に抱きしめられてしまっているのではないか。
本人は全く気づいてないけれど、
ココ様を好きな男なんて、この城には山ほどいる。
こんな純粋で、優しくて、真っ白な彼女に対して、
その純白さを利用してやろうと考える輩もいないとは言い難い。
もしかしたら、本当にもしかしたら、抱きしめるだけでは満足せずその先もーーー?
そんなことを考えると、もう後には引けなかった。
『ココ様、ごめんね。』
「......え?ん、んぅ!」