第6章 STAND 6
智「ねえ、それよりさ~、雅くん。二宮くんに何か聞いてたんじゃなかったっけか?」
雅「あ、そうだった。にのみ~、あいつって誰なの?」
雅紀が二宮の右隣にどかっと座った。
和「ん?ああ、幼馴染み…」
二宮が、翔くんをじっと見つめる。
和「翔によく似てた…」
雅「へぇー」
翔「俺に?」
コクりと頷く二宮。
翔くんに似てるのか…。
見てみたいな、その人。
雅「ねえねえ、その人って、女?男?」
和「……女」
雅「翔ちゃん似の女の子かあ。めっちゃくちゃ可愛いじゃん♪」
雅紀、お前もそう思う?
俺もだよー!
翔「え?なんで?」
なんで?って…。
翔くん、貴方は自分の可愛さをわかってないんですかー?
智「その人、二宮くんのコレ?」
さとちゃんが、右手の小指をピンッと立てた。
じっと見つめてから、フルフルと首を横に振る二宮。
雅「その人、年上?同い年?年下?」
和「……6個上。大学生…だった…」
遠くを見つめる二宮。
翔「“だった”?」
二宮が、今にも泣き出しそうな顔になる。
和「……1か月くらい前に、突然居なくなったんだ…」
智「突然?なんで?」
二宮は、俯いてボソッと「わからない…」と言って、とうとう泣き出してしまった。