第2章 STAND 2
膨れっ面の翔くんを、なんとか3人で宥めて出発することにした。
雅紀が持ち物検査が終わってないだのなんだの言ってたけど。
そんなことより俺は、さっさと出発してさっさと家に帰りたいんだよ!
雅紀を先頭に翔くん、俺、さとちゃんの並びで歩き出した。
それにしても…。
翔くんって、結構気にしてたんだな、なで肩のこと。
今後、気を付けなきゃな。
ああでも、怒った顔も可愛かったなあ、翔くん♪
「プピープピープピー♪」
雅「潤ちゃん。なにそれ?」
振り返った雅紀が怪訝な顔で俺を見てきた。
「ん?口笛だよ?」
雅「それがあ⁉口笛って、こうするんだよ~。ピーピープー♪」
立ち止まって、口笛で何かの曲を吹き出した雅紀。
俺とそんなに変わらなくね?
「俺と変わらねえし?」
雅「そうかなあ?じゃあ、これは?ピープー♪」
俺らを翔くんがじとーっと見てきた。
雅「翔ちゃん、どう?俺上手いでしょ~?」
翔「どっちもどっち」
雅「ええ~?そうかなあ?」
智「ねえねえ。休憩しようっか?」
えっ⁉もう?
雅「さとちゃん~、まだ歩き始めて5分も経ってないよ?もう疲れたの?」
さとちゃんが、「そうじゃないけど…」と大きめの石を見つけて、そこに座った。
やっぱ、疲れたんじゃん。
まだそんな年じゃないでしょ~?