第1章 第1話
『ひっく…ひっく…』
オジサンがいなくなって、僕は一人でずっと泣いていた
『お母さーん…帰りたいよー…お腹すいたよー…』
そんな時
<ガサガサガサ>
『ひっ!』
突然ガサガサって大きな音が近付いて来た
僕は怖くて丸くなって震えていた…すると
オジサン『…やっぱりまだ泣いてやがったか…』
『オジサン!』
さっきのオジサンが戻ってきてくれた
オジサン『ほら、これ食ってろ』
そう言ってオジサンは見たことのない物を僕の前に落とした
『…これ何?』
オジサン『魚だ』
さかな?…食べれるの?
僕は少し匂いをかいで前足で触ってみた
するとバタバタと動き出した
『ひっ!ヤダヤダ!僕食べれない!』
オジサン『食えなきゃ食うな。お前が餓死するだけだ。言っておくがこれからは自分で餌をとって食わなきゃ死ぬぞ』
そう言ってオジサンはまた何処かに行った
『ふっ…ひっく…』
僕は泣きながらその魚にかじりついた