第35章 正月かるた大会　― 姫＆安土城武将 ―

舞もにこりと言い返した。

「ふん…次、詠むぞ」

「あさぼらけーう」

「はいっ」

また、舞がぱしんと札を叩いた。

当然当たっている札を舞は取る。

結局、舞の圧勝だった。

「おほほほほ」

高らかに舞は笑い、筆を持って三成にもぺたぺた落書きした。

この舞の姿を見て、武将達は静かに闘志を燃やし、この後御殿では家臣達を相手に競技かるたの練習に励む武将の姿が、家臣や女中達に見られていた。



「舞」

天守にて信長がある日、舞に言った。

「また来年の正月に競技かるたをやるぞ。次こそ貴様を倒してみせるからな」

一瞬あっけにとられた舞だが、すぐ笑みを浮かべて言った。

「ふふ、お待ちしていますね、信長様？また私が勝ちますけれど」

さぁ、来年は誰が勝者になる？


＜終＞