<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第35章 正月かるた大会 ― 姫&安土城武将 ―
舞は丸い目を更に丸くした。
「え?私の口付け?」
光秀の言い分に全員頷き、舞は反対するが、他に景品も無く、渋々了承する事となる。
『もう、なんでこうなるかな…!』
簡単なくじで対決順序を作り、舞がトーナメント表を作る。
対決は、秀吉と家康、光秀と三成、政宗と信長、となった。
秀吉と家康の勝者と、光秀と三成の勝者が対戦し、政宗か信長の勝者と対戦する事となる。
早速舞がかるたを並べる。
100枚全てを置くのではないので、御手付きが出た場合は、次の歌の時は休み、と細かいルールを再度確認し、秀吉と家康が対戦する。
「秀吉さん、負けませんから」
「それはこっちの言い分だ」
読み手は舞。
何故か座った横に、すずりと墨に筆が一本置いてある。
「では始めます。これは最初に読む歌なので取るものはありません」
と言って「難波津に咲くやこの花冬ごもり 今は春べと咲くやこの花」と詠んだ。
「参ります…ちぎりおきしー」
途端きょろきょろと二人は自分の札、相手の札を見る。
「させもがーつゆをー」