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<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹

第29章 本気 ― 信玄&姫 ―


天女と言って良い程、美しく強い心を持つ舞に俺は本気だ。

「舞、今日も美しいな」

俺が声を掛けると、舞はいつもの事なのに顔を赤くし、俺をちょっと睨む。

「信玄様、いつも申し上げてますけれど、毎回からかうの止めてください」

おや、俺はからかってなぞ、いないぞ。

「誰がからかっているんだ?
俺は正直な気持ちを言っているだけなんだがな」

俺の言い方が悪いのか?

舞には冗談としか捉えらえていないようだ。

「俺は本気なんだがな、舞?」

俺の言葉に舞ははいはい、と生返事をして去ろうとする。

「おい、どこへ行くんだ?」

俺が聞くと舞は佐助のところへ頼まれたものを届けに行くと言うので、俺もついて行く事にする。

佐助の部屋に入ると、相変わらず、訳のわからないものが置いてあるのが目につく。

「佐助、これなんだ?」

「それは新しい形のまきびしを考えてるところで、試作品です」

まきびしにわざわざ試作品か。
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