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【イケメン王宮・イケヴァン】りありん劇場♥R18

第3章 ピアノレッスン~イケヴァン・モーツァルト~ 情熱編




「本来なら、君がプリモを弾くべきところだけど………いける?」

頷き、モー君の呼吸に合わせ、私は鍵盤を鳴らす。



―――っ!



モー君が弾くプリモ………女性パートが、情熱的に響く。

清楚で可憐な少女。

愛する人に出会い、心を通わせ、やがて少女から大人の女性へ………。



後半に差し掛かるほどに、何度も交差する、手と手。

―――腕が、触れ合う。

そして………いつの間にか、吐息を感じられるほどに距離は縮まっていて―――。



目が合ったかと思うと………その途端、唇に温かさを感じる―――。



一瞬、触れるだけの、キス。

ピアノが、鳴り止む。



「モー………君?」



驚いたまま、目を瞬かせて、モー君を見つめ続ける。

モー君のすみれ色の瞳は、熱を持って揺らめいている。

「………国王様に頼まれたから、会う事にしただけ。正直、了承してからも、面倒な事引き受けたって、ずっと後悔してた。けど」

そこで言葉を切って、ゆっくりと、私の頬を両の手で包み込む。



「断らなくて、良かった」



「………!」



モー君の唇が、再び重なる。

今度は、長く、ゆっくりと―――。



目を閉じたまま、夢見心地でウットリとモー君を感じていると。

しばらくして、唇が離れ―――。



「ごめん。君は、どうしたい?」

急に伏し目がちで、そう問われる。



「………今さら、それはないよっ!………っ、なんで、そんなこと言うの?」



一転して、泣き出しそうになるのを堪えて問い返す。



「君に選択肢を与えてなかったから………」



唇を噛み締め、俯く。

と、そんな私の額に、優しいキスが落とされる。

「モー………」

私は、涙を浮かべた瞳で、モー君を見上げる。

「泣かせてごめん。自分でも、よくわからない。なんでだろう。君に惹かれて、仕方ない」

そう言うと、また、唇が重なる。

次第に、深くなっていく、口づけ。

それを、必死に受け止め―――。







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