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【イケメン王宮・イケヴァン】りありん劇場♥R18

第9章 私立リアリン学園!1時間目~ユーリ~




―――ダメ、やっぱり、ギブアップ!



退屈な冊子を投げ出して、鞄の中からスマホを取り出す。

メッセージあり、の点滅をタップする。

結衣からのLINEだ。



『初日はどう?今度ゆっくり話聞かせてね!』



いろいろ話したいけど………。

学園内のいかなる出来事も他言しない事。

そう言われたし。



とりあえず、ニッコリマークのスタンプを送って。

すぐ下のメイドカフェの友達の欄を開く。

『リリカちゃん、元気?塾の先生、頑張ってる?リリカちゃんは?って、いっぱいのお客さんに聞かれたよー。辞めちゃったって言ったら、皆、残念がってたヨ。ヒナもさびしいよおっ!今度モエモエパフェ食べに来てね!ヒナが魔法をかけてあげる!』

数週間前のヒナちゃんからのメッセージ。

その下に、私が送った、『ありがとう』のスタンプ。

学園に来る前に、一度はカフェに寄ろうと思っていたのに、慌ただしく毎日が過ぎてしまって結局行けずじまいだった。

メイドも楽しかったな………。

懐かしく思いながら。



私は、前に進んでる―――。



そう、実感した。



だからこそ、今を頑張らないと―――。





「あ」



そうこうしているうちに、下校時刻が迫ってきた。



うーん、と伸びをして。

よし、校内巡回に出発~っ!

じっと座っているより、動いた方がいい。

私は、軽い足取りで歩き始める。





校庭では、元気な掛け声とともにサッカーボールを追いかけている生徒達の姿が見える。

サッカー部かな。

頑張ってるなあ。



音楽室からは、合唱部の綺麗な歌声が響いてくる―――。



部活動の生徒は、担当教師が下校時間を決めているって、ジル教頭が言ってたっけ。

それ以外で残っている生徒に、帰りを促すようにとのことだけど。

どの教室にも、生徒の姿はない。

ちゃんと皆、規則を守ってるんだね。



私は、散歩気分で見回りを続けた。








※次ページより、情熱編<R18>となります


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