第7章 私立リアリン学園!予鈴
「ですので、急きょ代わりの教師を探しておりましたところ、こちらに優秀で熱心な臨時講師の方がいると伺いましたもので」
「それが、私ってことですか?」
「失礼とは思いましたが、貴女のことを少々調べさせていただきました」
………調べた?
じゃ、メイドってのも知ってるって事?
いやいやいや、メイドカフェのバイトは決して怪しくないし。
普通のカフェの店員なんだから。
知られたって、全然平気だけど………。
「大学在学中の成績も素晴らしく、遅刻欠席もなし。こちらのゼミでは、生徒にも教え方が良いと評判ですし、人柄も申し分ありませんね」
「………ありがとうございます」
そんなに誉められるなんて………。
頑張ってて良かったあ。
私は嬉しくなって口元が綻ぶ。
「夏期講習期間のみの臨時講師とのことですが、それ以降は、お決まりなのでしょうか?」
「いえ、何も」
「では、この話………」
「もちろんお受けします!よろしくお願いします!」
私は、もう夢中で。
じっとしていられなくなり、勢いつけて立ち上がり、ジル教頭に深々と頭を下げる。
―――顔を上げると。
座っていたはずのジル教頭もいつのまにかその場に立っていて、微笑みを浮かべている。
「頼もしいですね。期待しておりますよ。では、こちらこそよろしくお願いしますね、マイン先生」