第5章 私立リアリン学園!序章
「と、とにかく、今は恋愛とか考えてないから!」
「そうなの?ま、レオナルドさんは、マインにはちょっと大人過ぎるかもねえ。経験豊富そうだもんな。泣かされそ」
結衣は、ビールをクイクイと飲みながら笑う。
「………」
「でも、だからってアイドル君じゃ子ども過ぎるし………ちょっとぉ、マイン。他に誰かいないのお?」
「………だからさ、私は今、恋愛どころじゃないってば。今のとこ夏期講習終わっちゃったら、なんもないし」
「ゼミから、引き続き講師お願いされたりとかないの?」
「そうだといいんだけど………」
実は、私も少しそれを期待している。
自分で言うのもなんんだけど、よく頑張ってるし、生徒や他の講師の方からも評判がいい。
私は、あのゼミには必要な存在になっている………はず。
そう。
今は、男の人に必要とされるよりも、仕事で私自身を評価されたい―――。
バイトにメイドカフェを選んだのは、教職に就いたらできないような仕事がしたかったからだ。
お堅い教師になるまでの、つなぎとして。
それなのに、私はいつのまにかつなぎが本職になってしまっていて………。
―――なぜ、もっと早く気づけなかったんだろう。
最初から、まっすぐ教職に向かっていけばよかったのに………。
この、講師としての地位を守りたい。
臨時、ではなくて。
だって。
私は、やっぱり、先生になりたいんだもん!!
※次ページより、情熱編<R18>となります