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【松】猫と六つ子

第12章 あざとさを力に



「それ、買うの?」

僕が声をかけると、びっくりした顔でこちらを見る。

「あ……ト、トッティ?こんにちわ」

まだ僕の名前を呼ぶのに慣れてないようで、少し恥ずかしそうに笑顔をみせる彼女はめっちゃ可愛かった。

「ヒナちゃん、だよね?久しぶり♪」

「う、うん、久しぶり」

なぜかちょっと複雑そうな顔をした。
んー?なんだろ?

「ごめんねっ、買い物、邪魔しちゃった?」

「え?ううん、そんなことないよ?
買うのこれだけだし!」

そう言ってヒナちゃんはシンプルな白いワンピースを持った。
そういえば初めて会ったときも白いワンピースだった。
まぁワンピースも可愛いんだけど、何かこだわりがあるのかな?
可愛いからもっと色んな服、似合うと思うんだけど……

「よかったら、これからお茶でもしない?
僕ももう買い物終わったとこなんだ♪」

「うん。あ、じゃあすぐ買ってくるね」



モールの外にあるカフェに二人で入った。
ヒナちゃんは、頼んだ温かい紅茶を一生懸命にフーフーしながら冷ましていた。
猫舌?わざと?可愛すぎるんだけど?

「この間、急に帰っちゃってごめんね?
カラ松くんにも謝っておいてくれる?
その……次、会う約束ができなくて」

ということは……
あれからカラ松兄さんにも会ってないってこと?
……ヨッシャーッ!!!
これは僕に神様がくれたチャンスだ!
落ち着け、トド松!ここが勝負所だ!

「わかった、兄さんに伝えておくね♪
よかったらヒナちゃんの連絡先教えてくれる?」

「え、ええと……携帯普段使わなくて……
連絡とかすぐにとれないけどいい?
私、いつも携帯自宅に置いたままなんだ」

ええっ?携帯を携帯してないの?
どうゆうことなのっ?!

「う、うん!じゃあいつでもメールして♪」

「……ありがとう」

そう言って、彼女はホッとしてた。
なんか理由があるのかなぁ?
いまいちつかめないなぁ……
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