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ハル

第3章 其れから、。前編


別に一目惚れとかじゃ無いけど、どうも、あの日以来、彼の事が頭から離れ無い。
ぼーっとしてる事が多いらしく、遠野ちゃん、最近変じゃ無い?ぼーっとしてる?などと取引先の人にまで言われる始末。
ボスにはイージーミスが増えてる!とゲキ飛ばされるし。踏んだり蹴ったりだよ。
そして、結構な頻度でかかってくる電話。暇なんかい!!
いやね、私仕事してんだよ。忙しいわけ、そうそう、電話折り返し出来無いわけよ。
やっと折り返し電話したと思ったら電話の向こうで実に不機嫌だわ、拗ねてるわ。
なんじゃこいつ???意味わからん。
あーーーーーーーめんどくさい。
春は仕事忙しいし激務なんだよ!空気読め!って言ってもお山の上だしわかん無いよねぇ。
溜息ばかりが出る。

ま、そんな感じなんだけど、なんとか休みが取れた。
しかも、彼も一時帰宅の許可が出た。
ばんざーーーーい!!
ん?喜んでるな私。
久々のデート!!
お、デートって言っちゃったよ。
そうです。すっかりやられちゃってます。春爛漫ですよ。頭ん中も。

なんだかね。
好きとか言った事ないし、言われた事も一度も無いんだけど、間違いなく彼は私の事は好きだよね。いくら鈍い私でも、分かるっつーの。
まあ、その、私も好きなんだけどさ。

なんていうかこのウキウキ感が久しぶり。
恋してるって、毎日楽しい。

待ちに待った、デートだよ。
私も張り切るよ。露出は高く無いけど、Vネックがちょっと深いセーターと長めのタイトスカート。いつもは履か無いヒールを履く。これ履くと私の方がでかいけど、そこはまぁいいっか?
初めてあった時に比べると全然違うし女らしいカッコだよ。彼の反応が楽しみ。ふふ
それにしても、はぁ、、、、、緊張する。

一応、待ち合わせはお昼過ぎ。
待ち合わせ場所に現れた彼はいつもより、ちょっとキチッと感。どんなにカッコつけても、坊主頭に童顔だから七五三感が!笑ってしまう。
センスも悪くない、スタイルも悪くない、だけどさ、ウケるー。坊主頭と童顔最強です。
「お前、久々に会うのに、俺の顔見ていきなり笑うとか無いわー!」
あ、ちょっと怒ってる?
「ゴメンゴメン。前、あった時と違ってカッコイイなぁ〜って思って。照れ笑い。」
ご機嫌取る為に嘘付きました。ごめんなさい。お陰というか、なんと言うか、そんな一言で機嫌が直るんだから、あんたはお子ちゃまかよっ!
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