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死の道へ

第4章 「狂い」


彼女は、校門を過ぎてもまだ走っていた。

やっぱり、なんかあったに違いない。

そう思って、俺も走り彼女の後を追いかけた。

校門を過ぎて真っ直ぐ走っている彼女が見えた。

……闇璃は、足が速いな。

思わずそう思ってしまった。

そして、俺の家の近くまで行ったと思ったら、すぐに左に曲がった。

俺は、その後を無我夢中で走った。

この様子だったら、彼女の家に向かう事になるだろうと思った。

だけど、俺は彼女の家を知らない。

けど、そんなの知るかと思ってしまった。

そして、右に曲がってそのまま真っ直ぐと進んだ。

また、右に曲がって、そこで彼女の足が止まった。

彼女の目の前にある一軒の家。

見た目は、普通の家だ。

だけど……。

彼女の家の周りには、沢山の人達が集まっていた。

俺も、思わず足を止めた。

……この状況を知ってる。

俺も、体験した事がある。

これは……。

彼女は、人をどけて家に入った。

俺も、その後に続いて闇璃の家に入ってしまった。

彼女や警察の人が何名か……いた。

……酷い匂いだ。

この匂いは、血だ。

壁には、赤い色があった。

これは、全て血だ。

そして、彼女の足元には1人の老人が倒れていた。

まったく、動く気配がない。

……死んだのかな。

だけど、死神の気配はしなかった。

じゃ、誰がやったんだ?

彼女は、老人の前でしゃがみ込んだ。

「…お婆ちゃん…。」

そう呟いて立った。

……闇璃の家族だったんだ。

「―――――して、やる…。」

僅かな、声が聞こえた。

俺は、彼女を見た。

彼女の瞳には、殺気に満ちていた。

俺は、思わず息を呑んだ。

そして、俺は彼女に手を伸ばしたが……。

パチーンッ!

俺の手が、痛みの衝撃を受けた。

「私に、触らないで!」

俺は、唖然とした。

最初は、何があったのか理解出来なかった。

数秒経ってから、手を叩かれたと分かった。

そして、彼女自身も驚いていた。

彼女の顔色が変わった。

そして、彼女の瞳もいつもの瞳に変わった。

「っ!…す、すみません。」

俺に、頭を下げた。

俺は、首を左右に振った。

はっきり言って、俺が悪かったし。
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