第1章 プロローグ
――――この頃、何故かナナシに避けられている気がする・・・
そうエルヴィンが感じたのは、ナナシが忙しそうに
何処かに行ってしまうからだ。
ナナシに「何処へ行くのか」と問えば、
「仕事がまだ残っている。お主に構ってなどいられん」と返され、
そそくさと何処かへ行ってしまう。
追いかけたり部屋まで行ってみたものの、
撒かれたり部屋にいなかったりが多く、
エルヴィンはとてもストレスを溜めていた。
ナナシにはいついかなる時もずっと傍にいて欲しいし、
最近彼をハグしたりキスしたり合体したりが出来ていないので
悶々としながら日々を過ごす。
そこでふと・・・ナナシは何かに怒っているのでは?
という考えが頭を過った。
では何に対して怒っているのか?と思い起こしてみたものの
・・・・心当たりが多過ぎて、頭を抱える。