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【ヒロアカ】キスミーベイビー【轟、爆豪、物間】

第5章 レットミー



爆豪「コケにすんのもいい加減にしろ」

轟は爆豪にそう叫ばれてハッとする

爆豪「オレがとるのは完膚無きまでの一位なんだよ

中途半端な相手に勝っても取れねぇんだよ、
誰にも文句言わせねぇ一位じゃねぇと、寧々をオレのものに出来ねぇんだよ

勝つ気も、寧々を手に入れる気もねぇなら、オレの前に立つな

なんでここに立ってんだクソがァ!」


轟は迷っていた

ヒーローになりたい思い、父親への復讐
そして、寧々への思いだ


(悪ぃな、俺は何が正しいのか分からなくなった…)

左手を使えば、勝つことは出来るだろう
だが、それは、母親への裏切りのような気持ちになり
更には、父の力で手に入れた勝利で、寧々への愛を伝えられるのだろうか
左手を使うことで、俺に愛を語る資格は無くなるのではと
思ってしまうのだ



「轟くん!!負けるな!頑張れ!」

緑谷の声がはっきりと耳に届いた
その時、これは俺の力なんだと思うことが出来た
体に炎をまとう

回転しながら爆豪が突っ込んでくる

左手で攻撃を仕掛け用途したその時、

モニターに寧々の顔が映し出された
泣きそうな顔で1点を見つめている、
観客席を見つめると、こんなに人がいるのに容易に寧々を見つけることが出来た


左の炎が消えていく

やはり、あいつの個性で勝ったとして
寧々が教えてくれた愛を説くことはできない

そんな勝利で、モノにしても、俺はそれで喜ぶことは出来ない



爆豪の攻撃を受け、吹っ飛ばされながら思うことは


(寧々…ごめんな)


そんな顔をさせたかったんじゃない
笑っていて欲しいんだ

俺が、一位になったらなんて言うから、そんな顔をさせちまったのかな

俺はいつだって大切な女性を、泣かせてしまうのか

お母さんも、寧々も…





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