• テキストサイズ

Dearest〜最愛の君へ〜

第14章 それぞれの想い





ーーー・・・



その後、3人ですっかり暗くなった外へと出る。
タクシーで駅まで向かい、国見を反対側の路線まで送る。


「わ〜こんなに遅くなっちゃった、国見ちゃんごめんね」

「いえ、及川さんが何ともなくて良かったです」

「あんな事でどうにかなるような俺じゃないよ。じゃ、国見ちゃん、また明日ね」

「はい、明日もよろしくお願いします」


軽く会釈をして電車に乗る国見を、及川とミオは見送った。


「それじゃ、俺達も帰ろっか」

「・・・・・・・・・」

「ミオ〜?」


どこか抜けた表情をしているミオの頬を指でつつく。

「ひゃあ!」

突然のことに変なリアクションをとったミオ。

「わ、超いいリアクション」

「もうっ、急に脅かさないで下さい!」

「呼んでも聞いてなかったじゃん。何〜久々に国見ちゃんに会えて嬉しかった?」

意地悪く、軽くミオの頬を両手で引っ張る。

「ひょんなことないれす!」

上手く喋れないでいる姿が可愛らしい。
ジタバタと及川の手から逃れると、ミオは引っ張られた頬を撫でる。


「うっそだ〜、国見ちゃんと話してる時、超笑顔だったじゃん」

「英くんは幼なじみだから、会えて嬉しいのは当然ですよっ」

「なんで国見ちゃんは下の名前で呼んでんの?俺だってミオに名前で呼ばれたいっ」

「そ、それは別にいいじゃないですか!今更恥ずかしいです」


ぱっと頬を赤らめるミオ。

うん、すっかりいつものミオだ。
そして、いつもの自分でいられている・・・


「じゃあわかった、これからミオが及川さんって呼ぶ度に、その場でハグするから」

「そ、そんなのダメです!絶対言っちゃいます!」

「じゃあ言わないように頑張んなくちゃね?あ、ちなみにチームメイトの前でも普通に抱きつくから♪」

「そんなむちゃくちゃな!」


完全に及川の手のひらで転がされるミオ。

(良かった・・・さっきの浮かない顔も、もうしてない・・・)


及川は、彼女の彼女らしい表情に、安堵の息を漏らした・・・ーーー



/ 166ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp