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イケメン戦国 家康三成メイン書庫(記念小説等例外有)◆R18

第5章 消せない熱 前編〈徳川家康〉




「後もう少しで現代かぁ……」


生憎の曇天な空を見上げながら、は縁側でそうポツリと呟いた。

偶然起こったタイムスリップで、戦国時代に来てしまってから一月。
共に時空を越えてしまった現代人仲間の佐助の話では、後二週間後に再びタイムスリップのチャンスがあるらしい。
その為、五日後迎えに来ると言われていた。

上杉・武田軍との戦は膠着状態。
織田軍の武将達は、毎日のように軍議を重ねている。


(今なら、私が居なくなっても誰も気付かないかも……戦国ライフ、楽しかったけど、これで良かったんだよね)


最初の頃、佐助に忠告された。
この時代の人には深入りしない方がいいと。
はその忠告通り、誰とも恋仲にはなっていなかった。

けれど―――……


(何だかんだと、色々お世話になった家康さんとも、これでお別れか……)

は安土城に連れてこられた後、信長の計らいで家康の御殿に世話になっていた。


いつも厳しくて、全然笑ってくれず、びっくりするくらいの塩対応。
だが、の脳裏に浮かぶ家康の眼差しは、何故だかとても熱っぽい。

あの瞳を見てしまうと、心臓がまるで早鐘のようになってしまって、はいつも戸惑っていた。



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