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妖からの贈り物【おそ松さん】

第1章 鈴の音



すると突然、それをかき消すかのように赤い妖が小さく吹き出す。そして大声で笑い始めた。


「ヒー…お前も言うようになったな~…プッ…一松。
でも、ちょっと違うんだな~…ふはっ……よしっ、一回集合~。廉はそこに居ろよな!」


そう言うと、赤い妖は2人の妖を連れ、私から少し離れた所へと移動した。
途中一松とちらりと目が合ったが直ぐに反らされる。


「良いかー、お前ら…コショコショ」


3人の妖はこそこそと何かを話始める。話の内容は、全く聞き取ることができない。
暫く3人で話していると、3人がふと顔を上げる。


「コホン…えー話し合った結果、廉には明日またここへ来てもらう事にしました~!!」

『え……嫌なんですけど』


と、即答で答える。妖と関わりたくない、それが理由だ。
しかし、赤い妖は聞く耳を持たずに話を進める。


「問答無用!嫌でも連れてくるからな~。
…ってな訳で、明日廉の迎え宜しく」


ぽんっと一松の肩に乗せられる。
すると一松は、俺!?と驚いていた。


「いやーだってお前が適任だろ?なぁ、チョロ松」

「うん、僕もそう思うよ」

「はあ?!だから何で俺!?
それだったら、チョロ松兄さんでも良いだろ?!」

「いやーチョロ松は……うん。あれだから」


一松はチョロ松を凝視する。


「……あー、それもそうだな」

「おい!何だよ今の間は!∑」

「まあまあ、良いじゃねーか!
廉も困ってるしさ。な?」


緑色の着物の妖は満足がいかないという顔で眼鏡をかけ直した。


「んじゃ、そう言う事で…明日迎えに行くからな!
今日はこれで」

『だから、行かないって……うっ…』


突然強い風が真正面から吹き荒れる。
私は、反射的に目を閉じ、頭の麦わら帽子が飛ばされぬよう抑えた。
暫くすると風は止み、うっすらと目を開ける。


「あっ!お帰りなさい廉ちゃん!暑い中ありがとうね~」

『おばぁちゃん…?』


私は祖母の家の庭先に立っていた。

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