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《おそ松さん》クズでニートな君が好き(R18)

第10章 お持ち帰りの長い夜【一松】


《愛菜side》


お持ち帰り、されてしまった。

今、ラブホに入ったところ。

一体、なんでこうなったんだろう。

ベッドに座った私は、緊張しながら隣の男性を伺った。

紫のパーカー、ゆるく履いたジャージ、無造作にハネた髪、猫のように丸まった背。酔いが回って赤くなった頬、少し眠いのかトロンとした目。

どうしよう……。


きっかけは、あつしくんに頼まれた合コンだった。

なんでもあつしくんの友達の『トド松くん』という人が一緒に飲める女のコを探しているんだって。合コンなんて苦手だから断ったけど、何度も食い下がられ、つい了承してしまった。

あつしくんによると、トド松くんは猫好きの人を連れてきてくれるらしい。初対面の人と喋るのは苦手だけど、猫の話題ならなんとかできそう。

そう思って実際に行ってみたら、猫好きの『一松くん』は全く喋らず、終始うつむいていた。でもせっかくだし、思い切って飼い猫のミーコの写真を見せてみた。

結果は大盛り上がり。そこから猫の話題に花が咲き、気づけば私たちはそのままラブホに来てしまった。
 
別にイヤじゃない。お酒の力も相まって、ちょっとだけハメを外してみたいという不純な気持ちもある。

でも……。

もう一度私は一松くんを見た。

あー無理! 緊張でおかしくなりそう! 向こうも気まずそうに座ってるだけだし!

今さらながらラブホに来てしまったのを後悔している。

自分から誘うわけにもいかないし。

どうすればいいの……。

私はうつむいた。


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