• テキストサイズ

一泊二日温泉旅行に行ってみた【実l況l者/全l身l組】

第1章 am 10:10


「おはよ!二人とも早かったね。」

店内奥の席を陣取っている二人に声を掛ける

「あ、柚月ちゃん、おはよう。」

茶髪で優しげな雰囲気の彼、レトルトことレトさんがにっこりと私に微笑み掛ける

「おー、来た来た。
ん、荷物貸して?」

続けて、背が高く爽やかな雰囲気の彼、キヨくんが私の肩に掛けているボストンバックに手を伸ばしてくる
そうやってキヨくんはいつも自然に気遣ってくれる
その優しさについ顔が綻ぶ

「あ、ありがとう。」

「柚月ちゃん!こっちこっち!!」

キヨくんに荷物を渡すと同時に、レトさんが自分が座っている二人掛けのソファ席の隣をポンポンと叩く

「あー!レトさんずりぃ!!!」

んー、と声を漏らし周りを見渡す
席はレトさんが座ってる二人掛けのソファと、テーブルを挟んで一人掛けのソファが二つ並んでいる

なるほど…
さっきの大声は座る場所でもめてた訳か…

私は迷うことなくレトさんとは反対側の一人掛けのソファに座る

「えぇーーー!!!なんでー!」

「ははっザマァ。」

キヨくんは私の荷物を置くと、隣にある一人掛けのソファに座った

「キヨくんの所為や。」

「なんでっ?!?!」

「まあまあ、とりあえずさ、飲み物頼も?」

悪態が止まりそうにないレトさんを制して店員を呼ぶ

ごめんね、レトさん
そんな風に呼ばれて嬉しいけど
なんか恥ずかしくて行けない…




店員に飲み物を注文し、
改めて二人に向かい合う

「えーっと、で今日は?」

レトさんとキヨくんを交互に見る
二人は顔を見合わせニヤっと笑う

「えっ?何?」

「これさ、現地着くまで内緒にするってのは?」

キヨくんが意地悪そうな顔でレトさんに投げかける

「あーええかも。ドッキリみたいに目隠しとかしてね。」

案の定レトさんも乗っかる
こんな時の二人は息ピッタリだ

「えーーー!!
どこに行くのか教えてよーーー?!」

そう、今回のこの旅行、
私は行き先を知らない
/ 51ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp