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一泊二日温泉旅行に行ってみた【実l況l者/全l身l組】

第8章 am 2:34


ガタッと言う音で目が覚める

まどろむ意識の中、薄っすらと目を開けると外は真っ暗で、隣のキヨくんとレトさんの部屋も明かりが消えていて、静まり返っていた

風の音…?

そう思い寝返りを打ち、再び目を閉じるが、何やら人の気配がするような気がする

まさか…幽霊…?
いや、気のせい…よね

少し不安になっていると、床の上をゆっくりペタ、ペタ、と歩いてくる音が聞こえる

近付いて来てる…!!

目をぎゅっと閉じ、身を縮こまらせる
足音はベッドの前で止まると、迷いもなく布団の中に入ってきた

驚いて思わず体が強張る
そのまま動けずにいると、じんわりと背中に広がる温度
ピッタリと寄り添うと、吐息が首の後ろ側にかかり、くすぐったい
距離を取ろうと身動ぎするけれど、お腹あたりに手が回り、足が絡んで動きが止められる

手の大きさや身長から考えて、思い当たる人物は一人

不安のドキドキが緊張のドキドキに変わる
心臓の音が部屋にこだましているんじゃないかと思うほど、うるさく響く

この状況にどうしていいかわからず
取り敢えず寝たフリを続けるしかなくて

しばらくもぞもぞと動くと体勢が落ち着いたのか、私を後ろから抱きしめたまま、しばらくじっとしている
このまま寝るのかな?と思った瞬間



「……すき…」

掠れた声で小さく呟かれると
心臓が大きく跳ね上がる

声の主はやっぱりキヨくんだった

「…かわいい…」

耳元に吐息がかかると、今度は肩がピクッと跳ねる
体中の血液が目まぐるしく回って、体温が上がるようで

それに同調するかのように、薄い浴衣越しに感じるキヨくんの熱

「俺のモノに、なって…」

回した腕に更に力が込められる

加速する鼓動が苦しい
もうこれ以上は心臓がもたない…!

堪らず起き上がろうとした時だった
次に発せられた言葉に、一瞬思考が止まる





「…のぞみーる。」



は……??
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