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Redline【気象系BL】

第10章 鉛色の空〈M→S〉


~J.





ばれない様に蓋をして、過ごしてきた。
多分、報われないこの気持ち
仕事終わりには不似合いな、雲が厚い空を見上げる
今にも雨が降りそうな空だ
「降りそうだなぁ…、」
足早に車に乗り込み、ドアを閉める
と、同時にポツリと落ちてきた雨粒
タイミングが良いのか、悪いのか。
丁度この気持ちを自覚したのも、今みたいな
空の時だった。
自然ともれるため息。
憂鬱な気分をもったまま、家の鍵を差し込む

コップにいれた水を飲みながらテレビをつける
天気予報では明日には晴れるとか、曇りとか、
キャスターが画面の中で話していた
俺の心の内は晴れないままだ
「はぁ〜、…」
もう何度目かわからないため息をついて
ソファに横になる
変わらず外では雨が降っていて、窓に打ち付ける
様に降っている
どうしたらいいのか、どうするのが正解なのか
「あ〜、わかんねぇ…、」
目を閉じて、考える

多分無理。翔さんへの気持ちはきっと俺の
一方通行。
他のメンバーは、そんな事ないよ、何て言って
くれるけど、わかるんだ。
翔さんの気持ちが俺に向く事はないって。
翔さんはずるい。見てるようで、目を逸らして
見ていない。
「…、つらいなぁ、」
何度目かわからない、涙を拭きながら立ち上がる
隠すって決めたなら、最後の最後まで
隠し遠そう、
自分の心に命じて晩御飯の準備をする。

翔さんの事ばっか考えて無心で作ってたら
何故かオムライスができて、
「も、重症かよ…、」
と一言呟く
作ったからには、捨てるのは勿体無いから、
テーブルに並べ、テレビを見ながらスプーンをいれる
美味しいのに、心が晴れない。
仕事では上手く話せるのに、プライベートに
なると全く無理なんて、神様は意地悪だ。
明日も5人での仕事で、朝早めだけど、
頑張って早起きしようと、心に決め、
食べ終わったお皿を片付ける
相変わらず外は雨が降り続いていた。







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